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4.252021
ノンアルの低アルコール化への風潮
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アサヒ「ビアリー」の発売
2021年3月にアサヒビールより、「ビアリー」が発売されました。この製品の大きな特徴は、アルコールが完全にゼロなのではなく、0.5%と微量に含まれているという点です。ただ、0.5%ものアルコールを含んでいても、ノンアルコール飲料として扱われます。
さてこのビアリーの製品、間違いなく味はほとんどのアルコールフリーのノンアルコールビールより本物のビールに近いです。アルコールを抜いたほとんどの製品は、麦汁のえぐみや化学調味料等の不快な味を充分に取り除くことが出来ずに、ビールとは言えない代物も多々あります。そのため、ビール好きには美味しいノンアルコールドリンクの存在は非常に嬉しいのです。
私も飲んでみましたが、泡の立ちが良く、まるでビールみたいです。 色は少し濃い黄金色です。 香りは若干弱いですが、麦の香りがしっかりします。 一口目から強烈な苦みが感じられ、のど越しが良いです。 後味もあっさりしており、アサヒらしくキレもあります。 後味に若干雑味が残りますが、十分美味しいです。 アルコールを微量に含んでいるため注意しましょう。
なぜ、今低アルコール製品なのか?一つ目の理由
【参考】ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2020
私は、アサヒが完全なノンアルコールビールではなく、多少なりともアルコールを含む低アルコールビールを今発売する理由が二つあると考えています。
一つ目は、「味」の面です。先ほども述べた通り、アルコールを抜いたほとんどの製品は、麦汁のえぐみや化学調味料等の不快な味を充分に取り除くことが出来ずに、ビールとは言えない代物も多々あります。一方で多少なりともアルコールを含むノンアルコールビールには、本物に近い味の製品もあります。
サントリーが行ったアンケートによると、ノンアルコールビールテイスト飲料を選ぶ際に重視するものとしては、ダントツで「おいしさ」が挙げられている。
当たり前ですが、やはりノンアルコールドリンクといえども「味」の良さは重視されているのですね。
なぜ、今低アルコール製品なのか?二つ目の理由
二つ目の理由としては、日本人、特に若者の「車離れ」が挙げられます。ソニー損保が発表した「2021年 新成人のカーライフ意識調査」によると、「若者の車離れ」とは自分自身のことだという質問に対し、37.8%が「あてはまる」と答えています。
そもそも、完全なノンアルコールドリンクが流行ったのが一番最初の理由は2007年9月の道路交通法改正からで、車に乗るならノンアルコールドリンクを飲む、ということで日本でノンアルコールドリンクが普及したという歴史があります。そのため、車に乗る必要がない人たちには、無理をして完全なノンアルコールドリンクを飲む必要があります。
となると、一つ目の理由で述べた「味」の面がより重視され、多少なりともアルコールを含むノンアルコールビールに着目したと考えられます。
以上、二つの理由によりアサヒが完全なノンアルコールビールではなく、多少なりともアルコールを含む低アルコールビールを今発売したと解説しました。「ビアリー」、是非一度飲んでみて下さい。