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2.162021
透明なノンアルコールビールの発売
2017年からは、ノンアルコールビールの総販売額の伸びが鈍化していく。特に2017年度のノンアルコールビールの総販売額は前年比で99.9%と、2009年から初めて前年比割れとなった。その後の二年も2018年度のノンアルコールビールの総販売額は前年比で102.5%、2019年度のノンアルコールビールの総販売額は前年比で101.6%と微増にとどまっている。
この期間には、2018年5月にサントリービールが色は透明にし、ペットボトルに入れたノンアルコールビール飲料である「オールフリーオールタイム」を発売している。一般的な清涼飲料のような見た目にすることで、職場でも抵抗感なく飲めるようにし、若い会社員のニーズの開拓を目指した(「日本経済新聞朝刊」2018.5.9)。それに合わせてアサヒビールもペットボトル入りのノンアルコールビールである「ドライゼロスパーク」を2018年7月から期間限定で売り出した。蓋をしめられ、持ち運びしやすいペットボトルに入れることで、アウトドアやスポーツ向けの需要を取り込むことを目的としている(「日本産業新聞」2015.6.8)。
二社により従来にない革新的な製品が発売された一方で、「透明な飲料について」という題目でインターネット調査会社のマクロミルが調査したところ、今後飲みたい透明飲料の割合は「ノンアルコールビール」が9%と少なく、消費者からの反響は良くなかったようである(「日本流通新聞」2018.8.29)。
結果として、サントリービールは「オールフリーオールタイム」を2019年3月に休止した。サントリービールの担当者は「商品の良さをうまくアピールできなかった。将来、再参入する可能性はあるが、いったん休止する」としている(「読売新聞」2018.6.19)。