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はじめに

「ノンアルメーカー紹介」シリーズは、ノンアルドリンク市場に製品を投入するメーカー単位でクローズアップし、歴史や製品の紹介、特徴を紹介していく記事です。今回は、Beverich(ビバリッチ)株式会社です。2022年10月に創業されたばかりの新しい企業ですが、代表取締役の木下慶氏以下、精力的にノンアルドリンクを取り扱っております。今後のノンアル市場の拡大にはこうしたベンチャー企業の参入による市場の活性化が不可欠であると考えております。今回は特別に代表取締役の木下氏にお時間をいただき、ヒアリングを交えて作成した記事となります。本記事に対するお問い合わせ等は以下までお願いします。

お問い合わせ

メーカーの会社概要

商号：Beverich株式会社(以下Beverich)

設立：2022年9月29日

本社所在地：神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-1アイクロス湘南5E号室

資本金：5,100万円

ノンアル市場においての歴史

歴史の始まり

Beverichは、2022年9月29日に、現代表の木下氏が約6年半務めたメルカリを退職し創業した企業です。木下氏が自分で事業を立ち上げようと思い、時間効率や健康等の関係からお酒を飲むことを辞めたところ、飲むものの選択肢が少ないという課題に直面したそうです。「やめた後に飲むものの選択肢が少ない」という課題を解決することで、お酒を辞める人も増えるし辞めた後もハッピーなのでは？という思いから、ノンアル飲料等を流通させる事業をテーマとして選んだそうです。
現在の事業内容はノンアル飲料等の輸入、小売、卸売販売と関連するITサービスの開発・運用を実施しています。

会社の紹介

代表の経歴

2010年筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻修了。
同年株式会社NTTデータにシステムエンジニアとして入社。国内大手クレジットカード会社のWebシステム開発に従事。
2012年ランサーズ株式会社の創業期にソフトウェアエンジニアとして入社。プロダクトマネージャー（PM）に転向後、ランサーズのプロダクトオーナーを務める。2016年株式会社メルカリ入社。US版、UK版のフリマアプリのPMを務めた後に2019年国内フリマ事業のHeadofProductとしてプロダクト責任者に就任。2021年メルカリの物流子会社メルロジの設立と同時にメルロジCPOに就任。
2022年10月Beverich株式会社を創業。

現在の組織状況

インサイドセールスやマーケティングのメンバーが中心に在籍しており、更なる採用も積極的に実施しています。
メンバーの方の属性としては飲めない人が多い一方で、普通に飲める人やキャンプ等のイベントでは飲まない人もいます。

会社のスタンス

会社としてはお酒を否定するスタンスではなく、あくまで飲み物の選択肢を増やすスタンスが主です。また、木下氏のルールとしては、酒税法上酒と見なされないアルコール度数1.0%未満の商品は、我慢することのストレスが溜まるよりは飲んだ方がよいという方針から、一応取り扱っております。ちなみに木下氏は、元々お酒が好きです。

ノンアルの定義

会社としては0%をノンアルコールと定義しています。また酒税法上酒と見なされないアルコール度数0%より大きく1.0%未満の商品を低アルコール商品として販売しています。国内でよく耳にする微アルと記載しないのは、アルコール度数1.0%未満の商品は世界的に「Lowalchol」と表記するため、それに倣ったとのことです。また、また、飲酒習慣に繋がるという懸念から、他のメーカーと同様に未成年へのノンアルコール商品の販売は禁止してます。ソバキュリ！のノンアルドリンクの定義は以下を参照してください。

【参考】ノンアルコールドリンクの定義

主なターゲット

主なターゲットは、結局お酒を飲める人が買うということが多いという点で、お酒を飲めるけど理由があって飲めない人と、アルコールテイスト飲料以外も取り扱っていることから、元々お酒が飲めない・飲む習慣がない人も対象としています。

自社製品

自社製品は喫緊では検討していませんが、特に味で満足していない人が多いという現状から将来的にはノンアルビールの製造を模索しています。地域の特徴を生かしたクラフト感の
あるノンアルビールを作りたいという気持ちがあります。また、酒蔵と提携し、ノンアル日本酒を作ることにも興味を持っています。

直近の動き

現時点では小売商品の売上比重が多いのですが、今後は飲食店への卸売販売に力を入れていくべく、セールスチームが飲食店を中心に取扱店舗を増やす活動をしています。

主要製品の紹介

LUST FOR LIFE DDH IPA

ホップの香りを非常に強く感じます。 泡もアルコール0%の製品の中では非常にきめ細かい方です。 色は薄い黄色です。 飲んだ瞬間に多少苦味を感じますが、製品説明に書かれている通り甘みも感じるため、非常にバランスが良いです。 後味も麦芽の臭みをあまり感じず、全体的に完成度が高いです。 パッケージもおしゃれで、パーティーで提供したら華やかになりそうです。 多少高いですが、一度飲んでみて下さい。

【参考】LUST FOR LIFE DDH IPA

DRY HOPPED STOUT

香りは完全にスタウトビールのような香ばしさを感じます。 泡は普通ですが、きめ細かくクリーミーです。 色はスタウトビールらしく、しっかりと黒いです。 一口目からしっかりと苦みを感じ、後味まで苦味と麦のコクが残ります。ビール好きにはたまらないです。 最低限の甘味は感じますが、全体的にすっきりまとまっていて飲みやすいです。 BRULOの製品の中ではもちろんのこと、ノンアルビール全体として考えてもトップクラスの再現度と美味しさです。是非ご賞味あれ。

【参考】DRY HOPPED STOUT

AZACCA IPA

柑橘系の香りが強いです。 泡はほどほどの強さです。 見た目は薄い黄金色です。 一口目は酸味を少し感じますが、苦みもしっかりと感じることができます。 後味は酸味の後に甘みが多少残ります。若干ですが麦のえぐみがあります。 結構後味が強いので、ゆっくり飲むのが良いかもです。 土日のお昼に青空で飲むのが合うかもです。

【参考】AZACCA IPA

CENTENNIAL IPA

麦やオレンジの香りが結構強いです。 色は綺麗な小麦色です。泡はきめ細かいです。 味は全体的な薄いのかもしれません。 後味はオレンジの酸味が結構強いです。 本美味しいのですが、一つだけ後味の麦のえぐみが気になります。

【参考】CENTENNIAL IPA

7 HOP 7 GRAIN

パイナップル？のような南国を感じる香りです。 泡立ちはきめ細かく、見た目は色の薄いビールそっくりです。色は小麦色です。 飲んだ瞬間は苦みを感じますが、後味に近づくにつれ甘味を結構感じます。 酸味も結構強いです。 多少後味に甘みのくどさが残ります。 甘めのビールが好きなかたは是非ご賞味あれ。

【参考】7 HOP 7 GRAIN

製品の特徴

基本的にノンアルドリンク・健康的なノンアルというキーワードを軸にして、木下氏自身が味で選んでいるそうです。また、商品の大きなカテゴリー分けとしては、「ノンアルビール」「低アルビール」「ノンアルワイン」「ミキサー」「その他」の5種類となります。

ノンアルビール

IPAやエール、スタウト(黒ビール)などのアルコール度数が0%のビールを扱っています。現在のブランドの主軸はスコットランドの首都エディンバラにあるノンアルコールビールに特化した醸造所であるBRULOです。BRULOは、最高級の原材料、革新的な酵母培養、最新の醸造技術を駆使し、味に妥協のないビールを造っていると共に、缶のデザインもクールでおしゃれな印象です。

低アルビール

アルコール度数1%未満の微量にアルコールを含むIPAやエール、スタウト(黒ビール)等の低アルコールビールを扱っています。BRULOの他、執筆者個人的にアルコール度数1%未満のビールでは一番美味しいと思われる常陸野ネストのノン・エールも扱っています。

【参考】ノン・エール

また、2023年3月よりオーストラリアのブルワリーMOLLYROSEの低アルコールIPAとGOSEの取り扱いも始めました。

【参考】MOLLYROSEの紹介

ノンアルワイン

主にル・プティ・ベレとルッソリーいうブランドを展開しています。
ル・プティ・ベレは、ノンアルコールドリンクを探し求めるフランス最高峰ソムリエのラポルト氏(2004年M.O.Fソムリエ/フランス国家最優秀職人章、フランス最優秀ソムリエ受賞)と、元アスリートであり自らノンアルコール飲料開発を志したベニ氏(CEO)が出会いスタートしたブランドです。保存料を使用せずナチュラル素材から造られるル・プティ・ベレは、健康や宗教のバリアを超え、現在世界45カ国以上で親しまれているそうです。特にノンアルワインは、出資者から美味しい商品を飲ませてほしいという要望が強いです。

また、ルッソリーはペインのバレンシアに拠点を置くノンアルコールワイン専門のワイナリーです。バレンシアの豊かな自然を活かし、環境に優しく最高品質のオーガニックノンアルコールワインを提供しています。ルッソリーのスパークリングワインは、ノンアルコールながら本格的なシャンパンに匹敵する泡立ち、果実と花の香りがあり爽やかで豊かな風味が感じられるのが特徴です。また、通常のスパークリングワインと比較して糖分が控えめで、合成甘味料や人工着色料、保存料は不使用で、有機栽培されたブドウからつくられています。
ハラール認証を受けた製品も製造し、宗教上の理由でアルコールを控える国々に展開され、高品質で手頃な価格の代替品として、世界中で高い評価を受けています。

【参考】ノンアル取り扱い商品一覧

ミキサー

ミキサーとはノンアルの割り材のことです。イギリスのFentimans(フェンティマンス)というブランドを多数取り扱っております。

その他

お茶に糖類を加え酢酸菌と酵母から生まれた「SCOBY(スコビー)」を入れて発酵させた植物由来の微炭酸飲料であるコンブチャ、イギリスで古くから親しまれる果実やハーブ、スパイス類などのシロップであるコーディアルシロップ、飲む点滴といわれる甘酒の製法を進化させた、新しいノンアルコールの麹飲料の三種類を取り扱っております。その商品のストーリーを重視し、健康的かつ高単価、クラフト感のあるブランドを取り扱っています。

今後の商品展開

ホップのリラックス効果や認知機能改善効果に注目しているということもあり、ホップを前面に押し出した商品も取り扱っていきます。ホップのリラックス効果等については、以下記事で詳しく開設しております。

【参考】ノンアルコールビールのリラックス効果について

まとめ

設立間もないベンチャー企業ですが、代表木下氏のノンアルドリンクに対する熱い想いがインタビューを通して伝わってきました。元々木下氏も酒飲みのこともあり、味という視点で商品を選別している部分が大きいと見受けられる点より、ソバキュリ！の理念との親和性が高いということで、今後も注視かつ積極的に応援していきたい企業となります。