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「飲まない生き方 ソバーキュリアス Sober Curious」を読んでみての感想

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

先日、本HP名の由来にもなった「飲まない生き方 ソバーキュリアス Sober Curious」という本を読みましたので、読書感想文みたいな感じで記事にしてみたいと思います。

本の情報

ルビーウォリントンという著者が書いた作品です。
2021/10/29に日本語訳版が発売されており、AMAZONや楽天では1,760円で販売されております。
総ページ数307ページにもわたるので時間がかかりそうと思われる方が多そうですが、内容に一部重複があり、結構あっさり読めました。


要約

ルビーウォリントンさんは、元々お酒をたくさん飲むソーシャルドリンカーだったそうです。
ただ、アルコール依存症ではないか?という自覚が目映えた際に飲み方に対するスタンスが変わり、自問自答した結果、ソーバーキュリアス、略してソバキュリに目覚めたそうです。
ソーバーキュリアスに賛同する人をソバキュリアンと呼び、飲む量を減らすには?もっと人生を楽しむには?と、酒に関して一つでも疑問を感じたことがあるならソバキュリアンだそうです。
多くの人にとって、飲まない生き方は「酒をやめれば楽になれるのか」という素朴な疑問から始まる、ということで締められています。
本書の狙いは、自問自答する読者を各方面からサポートすることと、ソバキュリを貫くためのさまざなさツールを紹介することとしています。

ソーバーキュリアスの定義

禁酒するというスタイルを貫くために、酒に関する疑問をできるだけ正直にキュリアス(好奇心)を持って考える人と定義されています。
ただ、飲酒している方に説教はNGとされており、また、TPOに応じてアルコールを嗜むことも推奨しています。
ソーバーキュリアスを続けるためには、ソバキュリ仲間や心の専門家等のサポーターが周辺にいると良いとしています。
また、酒とは関係ないコミュニティを見つけることも必要と書かれています。
ソバキュリを始めるメリットとしては、日々の暮らしに空き時間ができることが大きいそうです。

著者の飲酒履歴

まず。ルビーウォリントンの飲酒履歴が書かれています。
お酒は高校で既に飲んでいたそうです。ただ、大学時代はドラッグ中毒の彼氏に酒を禁じられていらとのこと。
社会人となり、タイムズ紙の日曜版で編集の仕事を始めた頃に、酒を飲む機会が増えたそうです。
ただ、その後アルコールで心身共にボロボロとなり、イビサ島でのヨガ合宿の週末に酒を控えたころで、ソバキュリデビューを果たしたそうです。
その後、CLUB SODA NYCを発足。お酒に関するトークショーや交流会を開催しています。
その会では、ソバキュリの同士を見つけたい人が、飲まない人が飲めない人に限定される現状の共有や、飲まないメリットを意識できるそうです。
加えて、自分にソバキュリを語る資格があるとしたら、ほぼ万人に共通する飲酒履歴を持っているからと話しています。

飲酒の怖さ

アメリカ国民の8人に一人はアルコール依存症だそうです。
また、飲酒の習慣がある人は例外なく、多少なりとも依存症の可能性があるそうです。
その根拠としては三つあり、
①人間の脳は生物学上の理由からアルコールを好むようになっている
②アルコールは魔法の液体として世の中に浸透している
③アルコールの依存度はコカイン以上でもないが、以下でもない
だそうです。
例えば依存症回復プログラムにおいては、参加者の4~6割がリラプス(再飲酒)に陥ってしまうそう。
特にジャーナリストのような高いストレスがかかるような仕事は大酒飲みになりやすく、飲酒の習慣を辞めるのは難しいとのことです。
また、依存性物質の蔓延は消費文化のあだ花であると著者は話をしています。

加えて、人間には過去の出来事を肯定的に思い出す傾向があり、飲酒体験を思い出すことをアル恋と呼んでいます。
アルコールが友達になったときが本当に危ないと専門家は話しています。

また、二日酔いの対策はそもそも飲まないことであるや、アメリカでは予防できる死因の第三位が飲酒であることが語られています。
あるアンケ―トでは、ニューヨーカーの77%がストレスあり、91%に飲酒の習慣ありとの結果が出ています。
一方で、2016年の調査によると酒を一滴も飲まない16歳~24歳の若者は2005年から2013年にかけて4割増加しているらしいです。
これからの時代、ソバキュリアンが増えていきそうですね。

どうして断酒ではなくソーバーキュリオスか?

最後に、どうして断酒ではなくソーバーキュリオスか?という問いに対する答えが記載されています。
その理由としては、
①酒そのものは悪くない。問題は酒を飲む理由と飲み方
②禁欲が過ぎると反動が大きくなる
の二つがあります。
また、時には酒宴に参加することも推奨しており、
①アルコールの作用をつぶさに観察できること
②アルコールは人を和ませ陽気にさせる
③酒宴にでると、アルコールは悪くないことがわかる
の三つをその理由としています。

まとめ

最後まで読んでみると、なぜ断酒ではなくソーバーキュリオスという言葉を使っているかが良く分かりました。
本サイトもお酒を飲まない人への選択肢を増やすことを目的としており、方向性がずれていないことを改めて認識できました。
お酒を控えると日々の暮らしに空き時間ができることは大きなメリットですので、お酒を飲むということをもう少し意識していきます。


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