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5.32021
ノンアルコールビールの企業シェア争い
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本記事では、2010年から2019年までの10年間のノンアルコールビールの企業シェアを算出したので、まとめております。こういったデータは中々残っていないため、推定値の算出に時間を要しましたが、ノンアルコールビールメーカーの栄枯盛衰を楽しんでいただければと思います。
目次
シェアの算出方法
「日経テレコン」の「日経POS情報・売れ筋商品ランキング」にて、商品分類を酒類の「アルコールテイスト飲料類」の各月における製品別金額シェアを抽出ました。
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「日経POS情報・売れ筋商品ランキング」は、全国の大手スーパーや中小スーパー、生協から毎日収集する販売時点情報管理データを集計および加工したものです。集計対象は全国の主要都市圏で中心的な位置を占める大型店を選択しています。
年度別企業シェアは、データ抽出後、各月の製品別金額シェアをメーカー別に集計し、2010年から2019年までを年ごとに集計し直したものです。しかし、2017年5月までが上位20位、2017年6月以降が上位10位しかデータが取得できないため、シェアが些少な製品のデータは集計不可であることに留意してください。
2010年の企業シェア
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2010年のノンアルコールビールの企業シェアは、キリンの独壇場でした。前年に発売した「フリー」が売れ続けており、シェアトップとなりました。
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また、キリンは「休む日のAlc.0.00%」という昨今の機能性表示食品のノンアルコールビールの先駆けのような製品を発売しており、これもシェアトップの要因となりました。
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ただこの年は、夏にサントリーが「オールフリー」を発売しており、9月から12月まで四カ月間シェアトップとなりました。
2011年の企業シェア
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この年はサントリーのオールフリーが圧倒的な強さを誇った。ホップの中でも香りが高いアロマホップを配合してあるため、さわやかな飲み口に仕上がっており、女性の支持を集めたようです。一年を通して月別の製品シェアを守っていたため、2011年はまさに「オールフリー」の年と言えます、
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2012年の企業シェア
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この年は、サントリーのアサヒの一騎打ちとなりました。この年はアサヒのノンアルコールビールの大ヒット製品、「ドライゼロ」が発売されました。一か月だけですが、3月は「オールフリー」を上回りシェアトップを奪取しました。
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2013年の企業シェア
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2013年は、一年中「オールフリー」が首位を守った年でした。二位は「ドライゼロ」で固定されています。サッポロやキリンの存在感が薄く、サントリーとアサヒの強さが目立った年でした。
またこの年は、「オールフリー シトラススパークル」が発売された年であり、サントリーのアサヒに関する危機感が感じられます。
2014年の企業シェア
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この年も一年中「オールフリー」が首位を守った年でした。しかし、アサヒのシェアが上がってきており、完全に二強の様相を呈しています。
またこの年はサントリーが「オールフリーゆず」を発売したり、アサヒが「ドライゼロブラック」を発売したりと、挑戦的な製品を発売しています。
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![](http://sober-curios.com/wp2/wp-content/uploads/2021/03/ドライゼロブラック-1.png)
2015年の企業シェア
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この年も一年中「オールフリー」が首位を守った年でした。約三年間首位を守ったこととなります。
またこの年は、機能表示食品やトクホの製品が発売され始めた年となります。サッポロの「サッポロプラス」やキリンの「パーフェクトフリー」、サントリーの「オールフリーコラーゲン」が発売された年です。
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![](http://sober-curios.com/wp2/wp-content/uploads/2021/01/パーフェクトフリー-1.png)
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2016年の企業シェア
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この年も一年中「オールフリー」が首位を守った年です。「オールフリー」の人気具合を感じますね。
興味深いのは、ホッピーが製品シェアでランクインしているということです。割り材とされているホッピーですが、結構人気なのですね。
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2017年の企業シェア
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この年は、ついにサントリーとアサヒでシェアのトップ交代が起こりました。とは言っても僅差ですが、5月からは「ドライゼロ」がトップを守り続けました。
またこの年は、キリンがシェアを戻した年です。これは、「零ICHI」がヒットしたためです。「零ICHI」は一番搾り製法の特徴を出し切るため、キリンフリーの機能の1つだったカロリーゼロを辞めた非常に意欲的な製品です。
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2018年の企業シェア
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2018年も引き続きアサヒが首位を守りました。
またこの年は、透明なノンアルコールビールが発売された年です。サントリーの「オールフリーオールタイム」やアサヒの「ドライゼロスパーク」が発売されました。職場での飲用シーンを狙ったようですが、あまり売上は伸びなかったようです。
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2019年の企業シェア
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2019年も引き続きアサヒが首位を守りました。個人的にもアサヒの「ドライゼロ」はビールに近い味やキレを感じることができるため、大ヒットする理由が良く分かります。